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2 初めての転校生は、可愛い女子がいい

Author: 栗栖蛍
last update Huling Na-update: 2025-05-14 13:13:54

 ロマンスグレーの髪を朝の風に揺らしながら手を振る校長にぺこりと頭を下げて、芙美は黙った二人に「どうしたの?」と声を掛けた。ピリと漂った緊張感が気のせいであったかのように、咲が「いやぁ」とはぐらかしてスカートのウエストをくるくると詰めていく。

「こんな辺ぴな田舎の学校に来るなんて、物好きな奴がいるなと思ってさ」

「今流行りのⅠ(あい)ターンとかかな?」

「もしそうだとしても、広井町まで行けば学校なんて幾らでもあるのにな。けど、最近この辺りに引っ越してきた奴なんて居たかなぁ?」

 広井町は、この白樺台の駅から三駅離れた芙美の家がある町だ。確かに向こうは都会で有名な進学校や専門校が幾つもあるが、白樺台に家があるのは三人のうち咲だけで、湊の家も広井町から更に一つ遠い有玖(あるく)駅の側にあった。

「咲ちゃんは町の高校に行こうとは思わなかったの?」

「家から近い方がいいんだよ。ギリギリまで寝てられるし」

「言ってることと逆だけど、確かに通学時間が短いのは楽だよね。湊くんはどう思う?」

「……え?」

 湊はずっと物思いに耽っていたようで、覗き込んだ芙美に驚いて「ごめん」と謝った。

「えっと、荒助さんは校長先生に誘われてウチの高校受けたんだっけ?」

「そうだよ。近所の図書館で偶然校長先生に会ったの。それで「良かったらどうですか?」って言われて」

 去年の夏、芙美は広井町の図書館でよく受験勉強をしていた。そこで何度か会った田中という初老の男にここの校長だと聞かされたのだ。

「あの爺さん、ここが私立だからって外で勧誘(ナンパ)してるのか?」

「毎年定員割れしてるから、生徒を増やすのに必死なんじゃないかな」

 咲の言い方には問題があるが、学校にとって切実な問題であろうことは明確だ。山奥で一学年一クラスの設定だが、定員の三〇人にはどの学年もとどいていない。

 ――「進路に迷っているなら、うちに来ませんか? ちょっと遠いけど空気が綺麗ですよ」

 友達が居なかったわけでも、成績が悪かったわけでもない。ただ、どうしようか迷っている時にタイミング良く声を掛けられたのだ。

「ずっと町に住んでるから、田舎もいいなって思って。制服も可愛いし」

 半袖シャツに、赤とグレーのチェック柄スカート、そして、胸元の赤いリボンが白樺高校の夏の女子制服だ。男子は開襟シャツにスカートと同柄のパンツで、生徒たちからは高評価を受けている。

 くるりと回って「可愛いでしょ?」と微笑む芙美に、「そんな理由か」と苦笑する湊は、もういつもの彼に戻っていた。

 咲は「芙美は可愛いよ」と納得顔で、校門に居る校長を一瞥する。

「だったら校長先生は、私と芙美の恋のキューピットだな」

 夢心地に胸の前で両手を合わせる咲に、湊が「キモイ」とヤジを飛ばす。

「キモいとは何だよ、湊。だったらお前は何でここに来たんだよ。頭悪くて、ここにしか入れなかったんじゃないのか?」

「咲ちゃん、湊くんはクラスで一番頭いいんだよ?」

「だから嫌味言ってるんだよ」

 ボロリと吐く咲に肩をすくめ、芙美は湊をそっと見上げた。確かにテストでほぼ満点の湊には、この学校は物足りないような気もする。

「湊くんはどうしてここを選んだの?」

 校舎前に建てられた二宮金次郎像に差し掛かったところで、湊は芙美の質問にそっと足を止めた。

「俺は、使命を果たすためにここに来たんだ」

「使命……?」

 湊はそれ以上答えず、「先行くね」と校舎へ入って行ってしまう。

「なぁにカッコつけてんだよ」

 首を傾げる芙美の横で「ハン」と不機嫌に腕を組み、咲は下駄箱の前で靴を脱ぐ湊の背中を睨みつけた。

   ☆

 夏休み明けでいつも以上に騒がしかった教室が、担任の登場とともに大人しくなる。

 30代半ばの教師・中條明和(めいわ)は、いささか暑苦しい彼のトレードマークであるおかっぱの髪を後ろにかき上げると、日に焼けた顔を全員に向けて「おはよう」と挨拶した。転校生を待ち構えた生徒15人が「おはようございます」と声を合わせる。

 前の扉は開いたままだ。「入りなさい」と呼び掛けた中條の声にひと呼吸置いて、転校生が姿を現す。

 ついさっき「可愛い女子希望!」と騒いでいた盛り上げ役の鈴木が、一番最初に「あぁ」と悲痛の声を漏らした。

 入ってきたのは、背の高い男子だ。ツンと立てた短い前髪に、大きめの瞳、額の横には怪我をしたのか斜めに絆創膏が貼られている。

 彼は黒板に名前を書きだした中條の横に立って、クラスメイトを見渡した。そして紹介を待たずに窓際の通路へ歩み出して、一番後ろの席へ一直線に向かう。

 彼の行動に生徒たちが騒めいた。

 そこにあるのは湊の席だ。湊は驚きもせずに立ち上がると、この時を待っていたかのように転校生へ声を掛ける。

「遅いぞ」

 知り合いだろうかと芙美が廊下側の席から二人に見入っていると、あろうことか転校生が感極まった表情で湊をぎゅうっと抱き締めたのだ。

「ラル、やっと会えた」

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